温泉水の起源
温泉の水・湯というものは、どこから来るものだろうか?
ごく若い頃は、地中にしみ込んだ雨水が、火山性の熱源に触れ、暖められたもの程度に漠然と考えていたのだが・・・
温泉そのものに興味を持つようになって、温泉の成因については、熱源と水そのものの起源は別個に考える必要もあると感じてきた。
温泉の成因として、地殻のプレート運動が非常に大きな要因であることは、世界中の温泉地の分布を見れば明らかだけれども、そのプレート運動を要因とする火山活動が、直接、温泉にどれだけ影響しているのかは、よくわからない。
いや、火山周辺の硫化水素を多く含有する温泉は、少なくとも熱源については火山活動の影響をまともに受けているだろうことはわかるのだが、火山から遠く離れた地でありながら、高温の湯を産する温泉(古くからの有名どころで言えば、南紀の温泉や常磐の温泉などはその例)などは、なぜそんな高温なのか?
そして、その水はどこに由来するのか?また、温泉は水温にかかわらず、内包する成分量によっても定義されているわけであるが、その成分は地中の岩石などから流れ出して供給されるものであるのか?
一説に、温泉の水は地球の形成とともに、地球内部で生成された水分子を主起源とする考えがある。つまり、温泉の水が地表で空気に触れるとき、それがその水の大気と初めての出会いであるということで、いわゆる「処女水」というわけである。
ロマン溢れる話ではあるが、各地での詳細な起源研究の結果は、残念ながらそのような結論を示していない。
現在考えられている最も有力な説は、循環水説といわれ、あまりに意外でなくてさみしいが、降水が地中に染み入って、地中で火山性の熱源を吸収するとともに、火山性のガス・周囲の岩石の成分を溶解して、何らかの理由により地表に再度湧出するという、たいてい誰しもがそう思うのではないかという説である。
もう一つ、岩漿水説といわれるもので、温泉水はマグマの揮発成分を主体とし地表で、湧出するまでの間に、これに多少なりとも地下水が混入すると考える説である。
ほかにもマグマ起源で諸説あるのだけれども、近年の酸素・水素の同位体研究によっては、マグマ起源の水はほとんど入っていないとされ、結局循環水であるという結論に行き着いてしまうのかもしれない。
温泉の熱源についてはここで触れないけれども、ともかく、温泉一つ考えてもなかなか、地中の出来事を簡単に理解するのは難しく、地球のシステムの複雑さを思い知らされて、逆にうれしく感じる。
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