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林道とのつきあい

901103-01mikabo.JPG
'90.11御荷鉾林道
既に林道にどっぷりつかっていた。一番楽しんでいた時期だったかもしれない

初めて林道に入ったのはいつ頃のことだったろうか
中学から高校にかけて自転車で走り回っていた頃があった。それは、MTBとかまだ聞いたこともない時代だった。片手で楽々運べるくらい車体は軽く、ハンドルはドロップ、タイヤは極めて細い。もちろんロード仕様の自転車である。
山のダウンヒルが楽しく、富士、上越、会津などへ遠乗りもした。広域の移動はむろん国道・県道クラス、ただ、ローカルな移動には、山間部だけあって林道も通らねばならなかった。いや、その当時は、県道も未舗装が少なくなかった。
その頃の自分とて、自然が好きなことは今と変わらない。変わらないけれども、やはり現在、林道に対して持っているイメージとはずいぶん違ったものを抱いていた。そう、それは「走りづらい道」以外の何物でもなかった。

少し時を経て、自動車に乗る年齢になった。夏になれば房総の海に行く。今ほど車は多くなく、千葉の海はさして注目されてもいなかったが、それでも夕方には上り方向の道がひどく渋滞した。
「自分の地元で渋滞などにはまってはいられない」というような意地もあり、抜け道に走る。地図を見ながら抜けていると思えば細くても迷わず入った。
いや、今にして思えば、この頃もっとたくさん走り込んでおけばよかったなあ・・・というほど、当時の房総の山中は、まだダートが多かった。今の国道クラスもダートだった。
残念ながら、その当時も、林道は「走りづらい道」以外の何物でもなかった。

更に時を経ると、「観光地」といわれるたいていのところには足を運び尽くし、好んで鄙びた温泉に行きだすようになる。山の中の一件宿が特に好みだった。まあ、これは今でもそうだけれども。
そして、そこを基点にして周辺だけを走り回ったり、歩いたりしてゆっくり時間を過ごすようになる。当然、その周辺には林道がある。宿への道自体が林道であることも珍しくない。
乗っていた車は、四輪駆動車ではなかった。床の低いクーペだった。もちろんダートを走るのは厳しかった。車体の腹をこする金属音やより強烈で鈍重な衝撃を感じながらの走行で10kmも走ると汗だくであった。、しかし、この頃に至っては、林道はもはや「走りづらい道」ではなく、取り巻く自然を肌で感じられる距離に近づけてくれる、まさに自然へと誘ってくれる道となっていた。

こうした、足取りで次第に林道に傾倒していったが、現在ではどうであるか。
まず、以前に比べて、圧倒的に情報量が増加した。言うまでもなくネット環境の恩恵である。
しかし、一方で全国隅々までの舗装化進行で、対象自体は大幅に減少してしまった。
そして、一番大事なのは、自分自身の付き合い方。

特に取り立てて書き連ねるほど悪化しているとは思わないが、ともすればナチュラルに林道と親しめない方向になりがちな気がしてならない。原因は明らか。ウエブサイトの管理・・・ツーリングレポートなどの更新にある。
林道に身をおいて、自分がどう楽しむかということからどう伝えるかという方向に軸がぶれてしまってきている。

本当はもっとゆったり、そして、じっくりと、林道ではなくその周辺の自然に親しみたい。道は道具であって目的ではない。※1
林道は自然へと誘ってくれる道であって、目的地ではないのである。
ある程度、サイトの形も収まってきたいま、ごく自然な形で自然に触れ、驚き、感動し、諸々の感情・知識を得て、心に刻んだものを皆さんに伝えるといった理想的な方向を目指して、林道と付き合っていければ幸いである。


※1 このあたりは自分の哲学の基本。PCであろうと車であろうと、道具を目的にすることは私としては美学に反する。道具はより多く、そして合理的に「使う」ことに意義をもつ。

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コメント

同感でございます。
私も自分の走った林道の記録を残し、林道仲間に配信してはいますが、自分自身の備忘録としての要素が強く、
内容はレポートというよりも、メモ的な形でしか記録しておりません。
これは、いつかは自分もwebサイトを立ち上げるかもしれませんが、見る側に感動を与えようとかいうことに奇を衒い、本来の自分の感動という目的を見失うのではないかということが、今まで躊躇していた要因の一つです。
私の場合は自然のみならず、地元の方々とのちょっとした挨拶とか、そのようなことでも感動することがあります。自然とのコミュニケーション含めて非日常への脱却ということが、自分の安らぐことなのでしょう。

投稿: しま | 2004.01.07 13:07

そのとおりですね。林道周辺の自然に止まらず、当該地域の人々の生活・文化に触れることも、非常に大きな楽しみです。
そういった意味では、温泉もそうだし、限られた機会ながら林業を営む方々などとのお話、また風土に根付いた慣習などを数多く体験できることも大きな魅力です。
しかし、以前から思っていますが、是非しまさんの林道メッセージを拝見してみたいですね。少なからずの弊害が必ずやあるということは否定できませんけれど・・・

投稿: 代官 | 2004.01.08 00:26

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