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雲の影

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~八方尾根より~

「雲の影」、ピンク・フロイドのアルバムの和名タイトルにも同名のものがあったが、好きなものの一つである。

それも、新緑を迎えたいまの季節が最もいい。眺めるのは、もちろん林道の峠など、見睛らしのよい所からになる。

まぶしいほどに青く明るい空の下、視界いっぱいに続く黄緑に、ブラシで白やピンクの絵の具を吹きかけたような、微妙な色合いの5月の山なみ。これだけでも十分に素晴らしいが、さらに加えることができるなら、爽快でいて潤いを秘めた風に流れてゆく「わた雲」が、地上に落とした影を山なみに滑らせてゆく情景は、私がもつ5月のイメージそのものとなる。

比較対象のない平地の大空に浮かんだ小さな「わた雲」は、ポッカリと浮いてはいるようだが、それでもどこか平面的でつかみどころがない。明るすぎる空にあっては、ときに陽光が織りなす虚像かとも思えてしまうほどにはかなげでもある。
しかし、その雲が目の前に広がった起伏ある景色に影を落したとき、雲の実体と合わせ見ることで、思ったより低空、そして、思ったより小さく、けれどもしっかりとした実像として目に映る。

晴天の象徴でもある「わた雲」=積雲は、通常、数百メートルから3,000メートルくらいの高さにあらわれる誰にでも知られた雲。雲の底はたいてい平たく、上部はムクムクとしている。晴天につきものとはいっても、ときには成長して積乱雲にまで発達することもあって侮れない。

この積雲が青い空にいくつも並んで、初夏の風に流されて行く様を眺めていると、時のたつのも忘れるようだし、また、山道で視界が下に開けたとき、そこに、その複数の積雲の影が流れているのをみていると、海底に巨大な魚の影が映っているような、そんな想像もかきたてて、すっかり見入ってしまう。

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コメント

ア~~~サワヤカ
深呼吸してしまう画像と文章ですね。

投稿: ゆうな | 2004.05.09 09:47

本日も、そうした風景を眺められそうな山に行ったのですが、天候不良で無念です。
でも、ゆうなさんが好きそうな野の花はたくさん見れましたよ

投稿: 代官 | 2004.05.09 22:10

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