« ディフェンダーは特別か? | トップページ | ベニシジミ »

6月の随想~雨の小武川林道

06200003.JPG
~19年前の6月の日記~

梅雨空の下、もとより雨は覚悟の上だが、いつ降ってきても良さそうな重い曇天の土曜日、半日出勤を終えたその足で温泉に向かう。彼女は、私の勤務先にほど近い駅前で、いつものように片手にした本を読みながら待っていた。雑踏の向こう、赤いクーペがロータリーへ滑り込んできたのに気がついて、静かに本を閉じ、しかし、にこりともせずに、それでいてどこか嬉しそうに歩み寄ってきて、黙ったまま私の右側の席に落ち着く。

・・・(中略)・・・

その温泉は、青木鉱泉といった。南アルプスの傍系となる白鳳三山の直下にひっそり湧く、沸かし湯の鉱泉で、周囲には木々の緑と沢のせせらぎ、そして野鳥たちのさえずりのほか、何もない心休まる環境にある。
いつからか、ルールのようになった毎月1回の温泉宿泊。雨に濡れてもあたりの美しさが変わらず、ゆったり湯に浸かっては、軒下で夕涼み、そして散策へと、静けささえ得られればそれで満足という要求を十分に充足した。

・・・(中略)・・・

彼女とこうして未舗装路に揺られるのも、近時はさして珍しいことではなくなった。山奥にある一軒宿の温泉へ続く道は、たいていスマートな舗装路などではなかった。今日も小武川林道なる道を車の腹を擦りながら走っている。
大きな石があらわになった河原に出た。道はまるで仮設のような木組の橋であちら側に渡されている。こんな道ならどこまで続いても・・・・

・・・(以下省略)

昨日、部屋の片隅から出てきた、懐かしい1枚の写真。
記憶は著しく曖昧でいて、ときに鮮明だ。

|

« ディフェンダーは特別か? | トップページ | ベニシジミ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/5192/814162

この記事へのトラックバック一覧です: 6月の随想~雨の小武川林道:

« ディフェンダーは特別か? | トップページ | ベニシジミ »