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蝶の道

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同じ花にいつもやってくるアゲハ

暑い日ざしに眩しいばかりの羽を拡げたアゲハ蝶が、庭の花壇に時おりやって来る。
注意して見ていると、まったく同じ蝶が定期的にとは言わないが、何度も同じ場所にやってくることに気付くはずだ。キアゲハやクロアゲハなど、アゲハ蝶の仲間の雄は、たいていは決まった飛翔コースを持っていて、そのコースを何度も周遊するように飛んでいる。

その飛翔コースのことを「蝶道」という。何を基準に道筋を決めるのかは解らないが、名前といい、なんともロマンチックな道である。

アゲハチョウの雄は、そのコース内の花を巡回しては時おり蜜を吸っているのだが、途中で雌に出会うと追いかけて、雌の周りを廻るように飛んで、雌が着地するようにする。着地した雌と交尾するための行動であるのだけれど、このコースを巡回する行動自体が子孫繁栄のためのプログラムなのだろうか。

もうひとつ、ちょっと意外なことがある。雌の蝶は雄が着地を求めると着地する場合と飛び去ってしまう場合がある。それが相性とかいうものでなく、既に交尾の経験のある雌は二度と交尾を受け入れずに飛び去ってしまい、未経験の雌のみが交尾を受け入れるのである。

実は、雌が交尾を受けるための腹端は、交尾中に雄が出した分泌物で塞がれる。そして、やがてそれが乾いて固まり、栓になってしまうのだ。つまり、アゲハ蝶の雌は、一度交尾をすると貞操帯をつけられてしまうというわけである。

ただ、雌は雌で、その栓があるなしに関わらず交尾を拒否するらしい。蝶の仲間はアゲハ以外はこのような詮をしないが、それでも同様に交尾経験のある雌は再び交尾をしないという。「花から花へ」とか「夜の蝶」など、浮気性なイメージがある「蝶」であるけれども、実際にはおどろくほど貞淑な昆虫なのである。
ちなみに、雄はというと、交尾後2~3日もすると回復して、また元気に雌を追いかける。

軽く流して考えればちょっと笑える話でもあるし、深く考えると、まったく無駄のない種保存のメカニズムに驚かされるばかりである。

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コメント

いつも素晴らしい観察力をご自分の言葉で
キレイにまとめられていて、それが、とっても
わかりやすい引き込まれる文章で(私みたいな字の間違いもなくって)
・・・チョウもいいけど、代官さんのレポートを尊敬(^^;; 


投稿: ゆうな | 2004.07.25 19:39

いやいやそんな、ゆうなさん。自分としては、どうも堅すぎる文章表現力が不満なんですよ。
のびやかなもの書きがどうしてもできないんだなぁこれが(^_^;)
ゆうなさんのところでは、いつまでたっても画像の種が尽きないのに驚きです。

投稿: 代官 | 2004.07.26 00:18

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あのアゲハの道での儀式 台風が遠のいてまた暑い日ざしがやってきた。 真っ青に突 [続きを読む]

受信: 2004.07.31 20:47

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