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野分

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~風の名前シリーズ~

「のわき」、「のわけ」ともいう。
主に秋に稲刈の時期に吹く外洋からの強風をこう呼ぶ。つまりは台風に関連した風のことになるわけで、古来の文学、文献にもしばしば登場する「風の名前」である。

名前の由来は読んで字のごとく、野の草木を吹き分けてゆく強い風というような意味であろう。
同じ草原を渡る風でも、特に秋の色がついた草木が、強風に押し倒されんばかりになびいてそよぐ様は、野分という名前にぴったりな気がする。
台風の通り過ぎた後に、倒れかかった稲穂の様も野分という名がなるほどといわしめる。
もっとも、稲作農家の方には、そんな悠長な話をしていたら怒られてしまうが。

台風は熱帯域の海洋で生まれるが、台風によってもたらされる野分は、少し違ったイメージ、海よりは山の景色を思い起こす。

秋の寂しさもひとしきりな山肌の道を行くとき、山の草木も野分に吹かれ、草という草がすべて同じ方向になびき、倒れこんでいる様を見るにつけ、南洋で発生したエネルギーが、遠くこの山奥へと作用をもたらすという力の循環に不思議を感じる。地球規模の大気循環に畏怖の念を抱くといっては少し大げさであるが。

今夜は台風18号の影響で、台風の中心からかなり離れた南関東も、すこぶる風が強くて寝苦しい夜を迎えている。
ついでながら、少し以外かもしれないが、南関東では、年間を通じると、梅雨の雨量よりこの台風と秋雨全線がもたらす秋の雨量のほうが多い。

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