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南のひとつ星

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~寂しい輝きの孤星~

台風の特異日として、古くからいい慣らされた二百十日を過ぎて、いよいよ、季節は秋へと向かってゆく。
秋は、冬から夏への上り調子の季節と違って、どうしてもマイナス方向の何かと寂しい印象が付きまとうが、星空のほうもその例にもれない。

秋の空を見上げれば分かると思うが、他の季節に比べて、やけに目立って明るい星に乏しいのである。ベガ(織姫星)、アルタイル(彦星)、デネブ(はくちょう座α星)の形作る夏の大三角形は西に傾き、さそり座のアンタレスは、ますます赤味を帯びて、南西の地平に今にも沈みかけようとしている。一年で最も賑やかな、あの冬の明るい星たちは、東の空からまだ顔を覗かせる前である。

秋の星座と区分けされる星々のなかで、唯一の一等星が、南の空に孤独に光るフォーマルハウト。
この星は南のうお座のα星であるが(星は固有名詞のほかに何座のα、β、γ・・・という呼び名で概ね明るい順に呼称される)、周囲にはほとんど明るい星も無く、また、この星自体も、一等星とはいっても最も暗いほうのグループの一等星で特別明るくもないし、赤くもなく、青くもなく、あまり特徴のない星なのである。

それでも、全体におとなしい秋の星座の中にあって、ポツンと南の空に孤独に輝いているこの星は、寂しさ漂う秋の夜空を象徴する星として印象深い。

この星の名前「フォーマルハウト」はアラビア語の「フム・アル・フート」のなまりだという、魚の口という意味のはずである。

中国名は非常によい名が与えられている。
「北落師門」
その名前は中国の長安の都の門の名前であるらしいが、それがどんな意味だったかはちょっと記憶に残っていない。

日本では、残念ながら目立った名前は付いていないらしい。先に述べたように、秋には唯一の印象を残す星であるのに・・・
少し前に、女性がカラオケでよく歌うのをよく聴いた「あの」歌には、「みなみのひとつぼし」という歌詞があった。
あまり気に留めてもいなかったが、この星のことをいっていたのだろうか。いや、この星以外に、そう呼ばれる星はない。

※ちなみに、言うまでもないことかもしれないが、「北の一つ星」は北極星のこと。

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コメント

まこと偶然・・・実は昨夜何の気なしに
ネットサーフィン中、とある天文サイトを閲覧してました。
小学校の頃に全部覚えていた「1等星の名称」を
どうも忘れかけている、というのがきっかけ(^^;
フォーマルハウトは記憶に残っていたのですが
あやふやだったのは全て
日本から見えない、もしくは見えづらい南の星ばかりでした。

そう言えば
幼少の冬の夜、近所のマンションの屋上に忍び込み
「カノープス見えないかなぁ~」
と探したことを思い出しました。
東京じゃちとツライやね。。。

投稿: | 2004.09.02 00:03

あ・・・今、気がつきました。。。

はくちょうαは「デネブ」です

投稿: | 2004.09.02 00:05

おっと、これはかたじけない。何の気なしにとんでもないことを書いていましたね(^_^メ)
ほ殿のコメントで、随分唐突にカノープスが出てきたなあとか思っていたら、自分が書いていたのですね(^_^;)大
助かりました。
そのカノープス、随分見るのに血潮を上げましたが、結局今までに2回しか見たことはありません。もう大昔の話なんでよく覚えてはいませんが、福島県から富士山を見たような感激ではありました。

投稿: 代官 | 2004.09.02 00:46

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