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朝露

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~枯れ枝と朝のひとしずく~

日増しに秋が深まっていく。
昼が短くなって日射しは弱まり、影が長くなるとともに、目に映る風景から少しずつ色の数が減っていく。
朝の散策に霜を見るのも間もないことだろう。

朝露は霜とほぼ同類で、そこに水分が集まる理屈としては基本的に同じものであり、あとは気温の違いだけ。冷えた飲料をたたえたコップに着く水滴のように、放射冷却によって、周囲の空気より温度の下がった木の葉などに、空気中の水蒸気が凝結するものが「露」であって、春でも夏でも見られる現象である。

その「露」が冬の寒気でその後に凍ったものは、実は厳密には「霜」ではない。これは「凍露」と言い、いったん水蒸気が凝結してから凍結するというように、気体~液体~固体の段階を経る。これに対して、「霜」の場合は、水蒸気が木の葉などの表面に直接昇華して生じる。つまり、液体の段階を経ずに、気体から個体になるわけである。
「露」も「霜」も、空から降るわけではなく、その場で生じている。

さて、露といったら、夏の朝だろうか。
そう、それも、わるくはない、しんみりと青草を濡らす朝露は、夏の暑さにいっときの安らぎのときを演出している。
けれども、秋の朝露はより叙情的な色合いを持っていまいか。
枯れ枝を伝う露のしたたりを、やわらかな朝日にかざしみたとき、その小さなプリズムが放つ七色のきらめきは、深け行く秋にこそ、宙に消えゆきそうな儚さをもっていて美しい気がするのである。

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