カジカガエル
過日、清流に沿った林道で、今年最初のカジカガエルの美声を楽しませてもらった。
透明な水が、白い飛まつを上げながら流れ落ちてゆく清流で、その清流より、もっと澄んだ。もっと涼しげな声が流れる。
カジカガエルの声を聞いたことがあるだろうか。初めて聞くならば、およそカエルの声とは思えないだろう。おそらく、その声から想像する姿は、青鮮やかな野鳥の姿とか、たいてい、そういったものになるのではなかろうか。
音を字で表すのは難しいけれど、あえて文字にすれば、「ふぃりりりり~」そんな透き通った文字になる。
カジカガエルは、アオガエルの仲間だが、体色に青いところは一切なく、茶から白っぽい褐色の沢の石と変わらない色をしている。いわば保護色の体色は、やはりそれゆえこのカエルの姿を見つけづらくし、鳴いているところでもないと、この小さめのカエルの姿はなかなか見られない。
さて、カジカガエルには少し興味深い習性というか、特徴がある。
美しい声で鳴く雄は、その美声を発するために乗る石を競って選ぶのだ。まあ、美声は繁殖につながる行動であるのだろうから、雄同士は初めからライバルではあるのだが、石をめぐって相撲を取る。ひらたく言ってしまえば、縄張り争いということか。
しかし、この場合の「いい石」とは何だろうか。選ばれる石は、どこがどういいのであろう。水流に対する位置?声のとおり易さ?雌との位置関係?
その答えは知らないが、小さな目立たないカエルが、相撲を取って勝ち得た場所で、うっとりするほどの美しい声でまた競って鳴く。
たとえ彼らにとっては、それが必死の行動なのだとしても、ただ眺めて聞くだけの勝手な人間にとってみれば、なんとも風流を楽しませてくれる愛らしいカエルではないだろうか。
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コメント
代官さん
いつも、興味深く読ませていただいております。カジカカエルの姿を見るのはコレが初めてです。この声を聞いて、切なくなるのは私だけでしょうか? よろしく
投稿: 元気 | 2005.05.06 05:14
元気さん、こんにちは。コメントありがとうございます。
また、リンクをいただいたようで、うれしいです。
※当方からは、当初からの方針でいまのところblogへリンクは行っておらず、恐縮です。
カジカガエルの声、聞く人それぞれの思いはきっとあるでしょうね。
やや似たような感じもあるセミのヒグラシ。あの「カナカナ」も、夕方に少し離れた森から聞えると、とても寂しく、切ない鳴き方ですが、近くで聞くと、「ケケケ」とやかましい笑い声にも聞こえたりするなと思ったりします。
投稿: 代官 | 2005.05.06 08:33