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鎮守の杜

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~初夏に沸き立つ鎮守の杜の木々~

「鎮守の森」、一般には神社のある森、神の住む森をおしなべてこう呼ぶ。
神が住むとはいっても、子供たちにとって、そこは神聖で踏み入れ難い場所ではなく、むしろ格好の遊び場であって、最もなじみ深い場所であった。
カカシ(注1)やカクジュウ(注2)はたまた缶蹴り(注3)に陣取り(注4)といった遊びに毎日のように明け暮れ、夕方は日も落ちて、兄や母親が呼びに来るまで遊び興じたものだった。誰彼となく、子供が寄り合う場所が鎮守の杜であった。

あの人気アニメでドングリがあっという間に育って出来上がった杜のように、この時期の鎮守の杜は、生き生きとしている。強い日差しに、木々の葉は色を微妙に変化させ、上に横にと伸びてゆく。小鳥たちがこずえの高いところでさえずり、時折やってくるカラスもてっぺんで滑稽な声をたてる。少々の雨が降っても雨だれは根元に達っすることはなく、外周の土にぽたぽた音を立てて落ち、そこに小穴をしるす。再び日差しが帰ってくると、森は一息だけ白い靄を吐き、そして、また木々の葉が一層みずみずしさを際立たせる。

生命力に溢れる鎮守の森は、周囲の住宅や道路に関わらず、そこだけ切り取ったように古来からの森の姿を残している。かつては、周囲一帯がそのような森であった信じるには、今の姿はあまりに変わってしまったけれども、ひとたび杜の中に足を踏み入れて、ひんやりした空間の風の流れ、こぼれ落ちる光、木々の息づかいを感じるにつけ、誰しもひと時の安らぎを覚えるところである。


~地元で人気のあった遊びの一例~

注1)カカシ
2人~5人くらい
地面にカカシの絵を書く。上から、三角2等分の笠、下半円の顔、横長方形2等分の手、縦長方形3等分の足。これを片足で跳んで往復。戻ってきたら石を投げる。入ったマスはその者の陣地。再び片足とびで往復して、石を投げるが、石が新しいマスに入らないと、そこで順番交代。次の者は先の者の陣地は踏めないという制約の下で、同様に繰り返して遊びが続く。かなり全国的な遊びだろう。

注2)カクジュウ
3人~10人くらい
鬼が1人で、残りは子という
地面に一辺5m程度の正方形を描き、これを4等分にするように、30cm幅くらいの直線の小道を十字に配する。鬼は十字の小道しか歩けない制約で子をタッチして捕まえる。まず初めに子全員で「ナス、キュウリ、カボチャ、何周り?」と鬼に尋ねる。鬼は10周なり20周なり適当な数を決めて「12周り、用意、すた~と」。子は正方形の四等分部分のほうを歩き、初めに踏み出した方向廻りに鬼の宣言した周回を廻りきるのが目的。ただし、正方形の外にも3歩に限って歩くことが出来る。鬼が宣言の周回をさせずに、子を捕まえきれれば、鬼の勝ちで最初に捕まった子が次の鬼。周回を完成させてしまったら、鬼をもう一度繰り返す。

注3)缶蹴り
4人~15人くらい
「かくれんぼ」のバリエーション。鬼はただ隠れた子を捜すだけでなく、隠れている子に陣に置いた缶を蹴られないように気を配りながら、捜さなければならない。鬼は自分の陣近くの木に顔を向けて目をつぶり、大きな声で100を数えた後、子を捜しに行く。見つけたら、大きな声で子の名前を宣告するが、その直後、必ず缶をひと踏みする。見つかった子は、捕虜になって陣近くの木にタッチしながら救援を待つ。鬼に見つかっていない子は、ただ隠れているのでなく、積極的に缶を蹴りにいく。子が缶を蹴ると、捕虜の子は全員解放されて鬼は初めからやり直し。なお、鬼に見つかった場合でも、鬼が缶をひと踏みする前に蹴ってしまえば捕まらない。

注4)陣取り
6人~20人くらい、半数に分けたチーム戦
数十メートル隔てて対局する大きな木2本を各陣とする。自陣へのタッチを手離してから時間が経つだけ自分の力が弱くなり、より後に自陣をタッチした敵に触られると負けるのが基本のルール。この強弱のルールのもとで、相互の鬼ごっことなる。最終目標は、この鬼ごっこ状態を掻い潜って、相手の陣にタッチすること。それで勝敗が決する。鬼ごっこに負けたものは捕虜となって、相手の陣から手を繋ぎ一列に並ぶ。最終目的の相手の陣を触れないときでも、この捕虜の手を切れば、それより手前の捕虜を逃がすことが出来る。強弱ルールは一見いい加減だが、そこは子供ならではの信義則で成り立っている。

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