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天地の詞・天地の歌

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~あめつちのうた~

天 地 星 空 山 川 峰 谷 雲 霧 室 苔 人 犬 上 末 硫黄 猿 生ふせよ 榎の 枝を 馴れ居て

自然を形作る数々の詞(ことば)が散りばめられている。この林道百拾号線の方向性にも似たものを持つ歌と思われたので、珍しく文系題材を取り上げてみた。一見、ただ単語を並べただけのように見える。しかし、そうではない。これは、知る人ぞ知る手習い歌の一つである。そう、あの「色は匂へど・・・」のいろは歌と同様のものである。

あめ つち ほし そら やま かは みね たに くも きり むろ こけ ひと いぬ うへ すゑ ゆわ さる おふせよ えのえ(Ye)を なれゐて

平安初期からの歌であるらしいが、全ての仮名をもれなく1回ずつ歌いこむという制約の中で、なおかつ天地を歌いこむとはおそれいる。

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アリジゴク

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~新居の軒下で見つけたアリジゴクのすり鉢~

居宅を引越して1週間が経つ。家の中はまだ落ち着かないのだが、ようやく庭に目が行く余裕も出て来たので、しばし、ゆっくりとわが庭を見て回った。

すると、ほとんど雨が降り込むことがなさそうな軒下の砂地に、ちょっとうれしいものがあるではないか。そう、そこにアリジゴク特有のあの円錐すり鉢が掘ってあった。子供の頃は、神社やお寺の縁の下によく観察に行ったものだが、これが自分のものとなった庭に生息しているとなると、特別に珍しいわけではなくても、小さな昆虫の些細な営みでも、身近な自然に愛しさが高まる。

さて、アリジゴクは、ご存知のようにウスバカゲロウの幼虫である。ウスバカゲロウは、名前は有名でも、姿を見たことのある方は少ないかもしれない。短命として有名であるのだろうが、幼虫から数えて2~3年は生きるので、昆虫として、特に短命な部類ではない。同じ短命を儚まれるセミもそうなのだが、成虫の姿というものが、生殖のためにあるのであって、セミもウスバカゲロウも地面の中の昆虫なのだと思えば、印象はまた変わる。

もっとも、成虫期が短くて短命といわれるのは、実はウスバカゲロウではなく、川にいるカゲロウの仲間のほうで、これは名前は同じ「カゲロウ」だし、形は、同じくトンボ型に見えるので、近縁と思われがちだが、ウスバカゲロウは、トンボやカゲロウとは違って、完全変態(サナギになる)をする昆虫である。

アリジゴクの戦略は、罠と待ち伏せ。罠のすり鉢に落ちたところを、砂を掛けて底まで落とし、体液を吸ってしまうのは、みなさんご存知のとおりであるが、特にアリでなくても構わない。同様に肉食のナナホシテントウ(アブラムシを捕食する)などでも、すり鉢に落ちてくれば、アリジゴクは容赦なく食べてしまう。

あのすり鉢を作るところを観察した方も、少なくないと思うが、後ろ向きに螺旋を描きながら見事に掘ってゆくのは芸術的。砂の質が崩れやすいかそうでないかで、すり鉢の穴の角度や大きさなどが変わってくる。

ひとつ、驚くことがある。アリジゴクは、やがて砂を糸で固めた繭の中でサナギになり、その後に羽化するのだが、幼虫期~蛹期を通して、ずっと排泄をしないのである。つまり、ウスバカゲロウは、生まれてから成虫になるまで排泄がない。そもそも腸に排泄口がないようだが、これは、あまりにヒット数の少ないすり鉢の罠からの少ない供給ということを考慮しての飢餓持久策なのであろうか。
おかげで、アリジゴクのお腹は丸々と太っている。

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スズメバチの巣

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~林道脇に見かけた立派な家~

いま、家の住替えの作業をしている。住替えといっても、新居は従前の居宅の隣と言おうか、同一敷地内と言おうか、とにかく現在の3世代での居住形態を、世代により世帯を分けたわけである。
しかし、隣でも転居は転居、なかなか大変な作業で、体のあちこちが痛くなってしまった。

さて、世代と新居といえば、ハチの巣、アリの巣を思い起こす。社会生活を形成するこれらの昆虫の家というより城のようなものではあるが、世代を交代していくたびに新たな家が形成されてゆく。

ところでこの時期(8~10月ごろ)はスズメバチの被害が多い月である。つい最近も、男性が50箇所も刺されて死亡した事故がニュースで伝えられていた。ときには、数回刺されただけでも、人の命にかかわる毒をもつスズメバチは、毎年3桁もの人命を奪うほどの、脅威ではある。エネルギーはともかく、ちょっとした地震や台風より、実害は大きいと言えるかもしれない。

山で、カブトムシなどの甲虫を追って、蜜の出る木にたどり着いたものの、このスズメバチに邪魔されて、なかなか近づけないなどのカワイイ被害もあるが、自分の家などに巣を作られたことにはたまらない。私は昆虫好きだし、ハチやアブなどを特に怖がりはしないが、やはり、自宅にスズメバチに巣を作られては、いかにもたまらない。

山間部の開発が進んだことによるのか、年々、スズメバチ被害の社会問題化も大きくなってきている。気候が高温少雨化傾向にあるようにみえることも、クマゼミなどでもそうだが、スズメバチでも適性を向上させているという風に疑う余地もある(私は、こういったことの因果関係は、常に断定した結論を出すことは、かなり難しいというスタンスです)。

スズメバチは、春、5月あたりから巣を作り始め、夏から秋、8~11月ごろにかけて、巣の大きさが最も大きくなる。このころになると、1つの巣のスズメバチの個体数も増大し、巣の防衛体制も強化されて、かつ、攻撃性が高まるため、人が刺される被害も、この時期に集中する。

自宅などに作られた巣が大きくなってしまったら、もはや駆除業者などに依頼するのが安全である。噴射式の駆除剤も売られているが、万全の知識と防備を身に着けていないと、なにせ相手は人命にかかわる危険生物である。実害に対するリスクは最小限にとどめたい。
せいぜい、自宅の軒先や屋根裏などを、スズメバチに新居の地として選ばれないよう、事前に気をつけたい気もするが、効果の大きな予防方法も知らないし、そんなタラレバのリスクに資金や手間をかける気がない自分である。

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