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食と掩蔽(1)

D2H_0027
Photo:Nikon D200/BORG 500mm(月と背景を別個にレベル補正)
~真珠星は月に沈むか~

今朝方、西日本ではおとめ座のα星「スピカ」の食が見られたはずである。残念ながら、南関東の我が家からでは月のスレスレを通過してしまった。もっとも、食の開始が7時台後半と日の出後であるので、西日本であっても、月は見えるが、スピカの方は1等星とはいえ、昼光の中で条件と環境が整っていないとこれを見ることはできないし、我が家からのスレスレ通過も実は確認できていない。
画像のほうは、自宅で撮影した、まだ食の2時間近く前になる5:55の接近画像である。

星を食う?日食や月食は、その現象面を眺めたとき、「食」というイメージには合うといえるが、星は「星食」というのより掩蔽(えんぺい)といったほうが合うような気がする・・・
掩蔽というのは、主に月に星が隠されることをいい、先にも使ったように「星食」又は単に「食」とも言われる。これは、地球から見た月の通り道の上にある恒星や惑星の前を月が通り過ぎる状態※であって、文字通り星が月に覆い隠されるように見えるのだが、月は満月以外のとき、明るい部分と暗い部分があるので、食の始まりや終わりが明るい月面である場合もあり、暗い部分(見た目では空のように見える)であることもあるところが面白い。

おとめ座のスピカは青白い星である。星の色は表面温度で決まり、赤黄白青という感じに高温になる(実際にはスペクトルどおり赤橙黄緑青紫となるのだろうが、人の目にはそう映らない)のであるが、太陽の約6000度に対して、スピカは2万度前後といわれる。
その青さから清純なイメージに繋がっておとめ座が出来たようにもいわれるが、真偽はともかく、春の南天に一つ青く輝くこの星は、確かに清らかなイメージがある。日本では「真珠星」と呼ばれたとか。

上記では、食も掩蔽もごちゃ混ぜに使ったが、実は、正確に言うと「食」と「掩蔽」は別物である(食と掩蔽(2)へつづく)。

※月はみなさんご存知の通り、毎日天球上の位置を少しずつ東に移動し、約一月かけて一周している。この月が天球上を移動する経路を「白道」ということは、前にも1項目設けて簡単に触れた。白道の上に星があれば、月がそこを通過するときに掩蔽が起きる。月は天球上に一定の画角(面積のようなもの)があるので、正確には、月の中心が通る線である白道の月の半径分の幅をもった帯になる。また、白道は天球に固定された線ではなく、一周ごとにずれがあるので(このあたりも「白道」の項を参照されたい)、かなりたくさんの星に掩蔽の可能性はある。しかし、実際の観測には、月の明るさと星の明るさに相当開きがあることや、月が太陽周辺でなく、また基本的には空の暗い夜間に起きることなどの条件が重なるので、1等星の食のような楽しんで見られるようなものは、それほど多いわけではない。

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