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みのむし健在

N20060304-123009
Photo:Nikon D200/Tokina AT-X M100mm F2.8
(1/160" F5.6)

~待っていた春~

昨日、我が家に比較的近い山間の池周りを散歩していると、池のほとりの一角に梅の植樹があるのだが、その梅の木は、春の日差しを受けて既にたくさんの花を開いていた
そして、その枝の一つを見ると、かわいらしく2匹のミノムシがぶら下がっていた。

枯葉を集めて作られた姿が冬の北風の厳しさを思い起こすミノムシと、対称的に春の訪れを象徴するようにふっくらつぼみを膨らませた梅の小枝。
それだけでも、なんともフォトジェニックな取り合わせの光景であったのだが、おまけにカップル※のように2匹が仲良くぶら下がっているともなれば、ここは、バックのボケまでカラフルに楽しそうに演出しようなどと、効果的角度を探ってその場で梅の小枝の周りをぐるぐると回り、しばしの間、写真作りに力が入ってしまったほどだ。

ここで使った画像は、バックのボケをカラフルにすることで「厳しさを乗り越えて訪れた暖かく楽しそうな雰囲気」は演出できたのだが、線状の小枝のボケがややうるさくなりすぎてしまった(他の作例はこちら)。

と、まあ、写真の話はさておき、その可愛らしく並んだミノムシを見て、更におやっと思ったことがあった。ミノは枯葉を固めた大きめのものであり、何ら変哲もないようだが、このミノの作りはおそらくオオミノガではなかろうか。

日本で普通見られる代表的なミノムシは、チャミノガとオオミノガの2種であったが、そのうちのオオミノガのほうは、近年極めて数を減らしていて、かなりの地方で絶滅危惧が話題になっていたはずである。

その話題については、かなり前に「みのむしが絶滅?」で取り上げたことがある。その項で掲載した口絵画像は、チャミノガのミノであるので、参考までにそれと比べてみると分かりやすいだろう。

一応特徴をまとめておくと・・・
チャミノガのミノは、細くて小枝メインで作られていて、ミノの枝などへの付き方が密着していてブラブラしていないのが特徴である。
それに対して、オオミノガのミノは太めでずんぐりしていて、葉を主な材料に作られ、本体は細いくびれ部の先で枝などに付いているのでブラブラしている。

オオミノガの絶滅騒ぎの元凶は、オオミノガ専門に寄生するヤドリバエが、国外から紛れ込んで繁殖したことによるとのことだった。
しかし、国外から来て天敵がいないために大繁殖し、それとともにオオミノガは絶滅して、結局、オオミノガ専門の寄生虫であるそのヤドリバエも絶滅するという、共倒れのシナリオ(自然の寄生関係ではありえない)にはならず、そのヤドリバエにも、自然環境の豊かな地域では、これに更に2次的に寄生するコバチの類が現われ、オオミノガの絶滅前に個体数の自然バランスが保たれたようにも聞く。

ともかく、我が家の近くで、まだ元気にぶらさがったオオミノガのミノを見て一安心したところである。

※実際にはこの画像の2匹のミノガは、カップルではなく、ミノの大きさから両方メスだと思われる。

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コメント

代官さん、ほのぼのする写真ですね。
春が来たのが実感されます。

ところで、両方メスだとしても
カップルだということ、あるかも。

投稿: ARGO | 2006.03.06 00:04

はいはい、写真がというより
素材が本当に「ほのぼの」でした
メスのカップル?!
まあ、いいですけど・・・(^^ゞ

ちなみに、真面目な話に戻ると
みなさんの地域ではミノムシどうでしょう?
都市部では、ヤドリバエに二次寄生する種が生息せず
完全壊滅という声も聞きますが・・・

投稿: 代官 | 2006.03.06 22:17

本の背は,革で作られたりしますが,蓑虫を使った本があります。小島烏水『書斎の岳人』(書物展望社、昭和9年)がその本。

1冊につき約30匹分が使われています。限定1000部ですので,少なくとも30,000匹以上を集めた事になります。

戦前は、たくさんいたのでしょうが,それにしてもよく集めたものですね。

投稿: ひげっち | 2006.08.20 15:52

ひげっちさん、こんばんは
コメントどうもです

その話は初めて聞きました
ほんとうに大胆なことを思いついたのですね
それにしても、それだけの数のミノムシ
確かに集めるのは大変です
子供のアルバイトでもたくさん雇って
採集したのでしょうか

投稿: 代官 | 2006.08.20 23:15

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