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トンボのハート

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Photo : Casio QV-2800UX
~ハート形には意味がある~

今回はカワトンボの繁殖の不思議のことを書こうとしたのだが、まず、その話に入る前に、トンボの交尾の特徴を述べておきたいと思うので、この項では、カワトンボだけに限った話ではないが、「トンボのハート」について簡単に触れておきたい。

よくトンボを目にされている方ならば、きっと見覚えがあると思う、あのハート型の交尾の話であるが、実は、これはトンボ類に共通して見られ、他の昆虫には見られない顕著な特徴なのである。

他の昆虫が、オスとメスのそれぞれの腹端にある交尾器を接して交尾するのと違って、トンボ類の場合には、オスの交尾器だけが腹(尾)の付け根近くにあるために、メスの交尾器がある腹端は、そこに接合される。また、交尾のときにオスがメスを支えるため、オスの腹端にはメスを掴まえておく器官があって、これでメスの頭部などを掴む。

その結果、トンボ類の細長い腹部は、メスの頭部付近を掴もうとするオス側と、オスの交尾器に接しようとするメス側でかわいいハート型を形成するのである。

ペアのトンボが体を使ってハートを描いている図は、誰が見てもほほえましい図であると思うが、あのハート形は、こんな理由でつくられている。まして、これは、トンボ類と他の昆虫との数ある違いの中でも、最も大きな相違点とされながら、それほど知られたことではないと思う。

これだけでも、もしトンボの繁殖に大変興味深いものを感じていただけたなら、次のカワトンボの話にも入りやすい。

※本文では書かなかったが、もうひとつ、トンボのオスの生殖器、交尾器のことを補足したい。トンボのオスの交尾器が腹端ではなく、腹の付け根にあると書いたが、これは「交尾器」だけであって、「生殖器」は他の昆虫と同様に腹端にある。通常、精子・卵子を作る生殖器とそれを受け渡す交尾器は、まとまった位置に存在するが、トンボのオスの場合は別々の離れた場所にあり、この間に自らの精子を移動させる管などの器官がない。トンボのオスは、自ら腹部を曲げて腹端の生殖器から腹の付け根の交尾器へと精子を移動させている。

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