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権現の大銀杏

N20060810073931
Photo : Nikon D200 / AF-S DX VR Zoom Nikkor ED 18-200mm
~冬を告げる樹~

旅先での朝の散歩は楽しい。

この夏に、そんな散歩の先で出会ったのは、秋田県山本郡藤里町田中にある大銀杏。このイチョウ、樹齢は推定500年ともいわれる。幹はもちろん大きいが、数メートルも垂れ下がった何本かの太い気根がイチョウには珍しい。そして、それだけでなく、ちょっと変わった性質を持っているらしい。

この樹の落葉で豊凶を占うということはガイドにも案内があった。ただ、それは落葉の何をどう評価して占われるのかよくわからなかったのだが、代わりに地元で聞いた話は、それとは別の話だった。

この地方は冬には積雪で閉ざされるが、晩秋に降ったその雪が根雪となるのかどうかがこの樹の葉の落葉で分かるというのだった。

晩秋の雪は、降り積もっては一度全て解けたりまた積もったりと繰り返し、最後はいつしか根雪となってゆくが、そんな晩秋のある晩に、この大きなイチョウの樹の色づいた葉が、ごぉーっという大音響とともに一気に全て落ちるというのである。

雪が降り始める頃になっても、この樹の葉はまだ落ちない。まとまった雪があると、他の集落のほうから、大銀杏はどうかと声が掛かる。「今年はまだだね」と答えるときは、「ああ、この雪は解ける雪か」となり、「落ちたよ」と答えれば、「この雪は根雪だね」となるそうである。

落ち葉というのは、一枚、また一枚とはらはら落ちるもの、もちろんこれまでにそういう普通の樹しか見たこともない。一斉の落葉にはどんな仕組みがあるのか気になるが、理屈はともかく、その珍しい現象を直接見聞きしたいものである。

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