カイロ
明日はキャンプだ。幸い天気は好いようであるが、標高もある山の中、かなりの冷え込みが予想される。
そろそろカイロの時期が来たなと思ったら、燃料が切れてしまっていたので町に買いに出た。若い人はカイロに燃料?と思うのかもしれないが、カイロはやっぱりハクキンカイロだ。
ところが、驚いたことに売っているはずの薬品店にそれは置いていなかった。郊外型の大型店舗は、やはり客層がちょっと違うのだろう。やむなく、旧商店街にある昔からの薬局に行くと、「はいはい、ありますよ。」と快い返事。さっそく、求めていた代物を購入した。
しかし、その後が違う。「いや~、最近じゃもうあまりないんですよね。カイロ本体なんて、もうは売ってないでしょう。ハクキンカイロの会社も潰れてしまったようだし」ときた。
いや、いくら使い捨てカイロ全盛の世とはいえ、それはあんまりではと思ったが、そこは苦笑いして薬局を出た。
購入したのは「ベンジン」。昔懐かしい響きの名だ。
ほんとうは、「ベンジン」じゃなくたっていい。オイルライターの燃料である「ナフサ」でもいいし。キャンプで使う「ホワイト・ガソリン」でもいいのだ。これらみな、名前は違うが、同じようなものである。
ところで、このハクキン・カイロ。白金の触媒作用を使った酸化反応による発熱器であるが、いまもって見てもなかなか味わい深い逸品と思う。
ただ、それとは別に、カイロを眺めていたら、使い捨てカイロとハクキン・カイロの違いというのは、私自身の趣向において両極端に位置するものだと気づいた。百円ライターにも代表されるように、使い捨て商品には非常に嫌悪感をもっている。
資源問題などを言っているのではない。あくまで、趣向の世界である。
形あるものは、消費物のみ更新し、可能な限り永く愛着を持って使いたいのである。もちろん、それなりの風格をもった容姿が欲しいところであるのだが。
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