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モズの高鳴き

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~高鳴きをしているオス(左)とメス(右)~

秋も深まり、空は抜けるように蒼くなってきた。雲はベールのようにたなびいて、いっそう秋らしさを増す。

その抜けるような秋の空にそそり立つ樹の先端「キィーキィーキィー」というよく通る鳥の声が聞こえてくる。
モズの高鳴きである。

小さな姿ながら、攻撃力のある体を持ったモズが、自分のなわばりへの侵入者に対して発する威嚇の声であるり、秋から冬の風物詩でもある。

モズは繁殖期には一夫一妻で仲良く子育てするが(注)、秋から冬にかけては、オスは単独のなわばりを持ち、メスを排除する。メスはメスで、あまり良い環境とはいえないところに追いやられるが、それでもそこでなわばりを構え、雌雄ともに高鳴きでなわばりを主張する。

モズは狩をする鳥であって、繁殖時以外は自分のなわばりの中で孤高なハンターとして過ごすということになる。体は小さいが、クチバシは猛禽類のように肉を引き裂くのに適した形であり、獲物の急所である頭や首などに噛み付いて、確実にしとめる。カエルやトカゲなどを捕らえることは、はやにえ(木の枝に獲物を刺す行動)などでよく知られるが、時には自分より大きな鳥さえも一撃でしとめてしまう。

ところで、ここで使った2枚の雌雄のモズの写真。あまりいい写りではないのだが、これを使ったのは、この2枚が実はほとんど同じ場所にある樹のてっぺんを写したものだからである。メスの画像は昨年の秋、オスの画像はこの秋撮影したものだ。オスがなわばりからメスを追い出すから、メスは少し悪い環境でなわばりを作ると上に書いたが、同じ場所でも年によって環境価値が変わる又は環境がランクアップしたのだろうか、それとも単なる好みや偶然か。

(注)モズはつがいで仲良く子育てをするものの、調査によると子をDNA鑑定すると、約10%はつがいのオスの子ではないらしい。

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桜を切る

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~秋の陽だまり、坊主の並木~

「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」の諺は多くの方がご存知のことだと思う。

桜は切るとそこから腐り易いので、絶対切るなということではないけれども、剪定などはあまり行わず、切る場合は場合によっては薬を使うほど十分注意すべきであることについて、とても丈夫で、樹形を好みに整えるためにほとんど躊躇がいらない梅の樹をもってきて対比させた言葉である。

少し前の暖かく晴れた休日に、近くの湖の周囲を散歩していると、なんとも見事に、まるで、街路樹のケヤキなどの枝を払うのと同様に、バサッと太い枝ごと剪定された桜が並んでいた。

はて、桜の木は、先の諺があるにせよ、絶対に切ってはいけないというわけでもないとは思うが、それにしても、切り口が腐りやすいのは確かであるから、ここまで切っても大丈夫なのだろうか。少なくとも、花芽の付くのは今頃だろうから、来春の花は見られないように思われる。

園芸の知識などないので真相は知るすべもないが、桜の性質を知り尽くしたプロの庭師が、その性質に従って剪定を施したということなのだろうか。それとも、何か菌性の病気でもあって、枝を落さざる得なかったのだろうかなどと、やけに暖かな秋の陽射しに、ぼんやりと考えながら、昼時も近づいたので家路についた。

それが来春ではないとしても、またここに白い幻想的な並木が見られるといいのだが。

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カマキリの共食い

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~カマキリのオスは本当に子孫繁栄を願って死んでゆくのか~

朝の散歩から帰ってくると、玄関先でお腹の大きなオオカマキリのメスが、カマキリの残骸らしきものをくわえているのに出会った。「おいおい、やっちまったね」とオオカマキリに声をかけ、その真下の地面を探してみると、そこには確かに紫色のオオカマキリの後翅が落ちていた。
落ちている翅はかなり大きい・・・もはや、確かめるすべはなくなっているが、おそらくこれはメスの翅であることに間違いない。

よく「カマキリは産卵するために、交尾したあとメスがオスを食う」と言われる。そしてさらに、産卵前のメスが栄養をたっぷり取ることでいい卵が産み落せそうだからであるのか、「いい子孫を残すためにオスは犠牲になるのだ」とまでもいわれる。しかしながら、実はそれは正しくはない。

カマキリは、「共食い」という行為自体は確かにする。それは、朝、私が見たとおりである。けれども、カマキリにとっては、共食いもへったくれもないようで、「動くものなら何でも喰らい付く」のが真相である。

飼育下で、繁殖させる目的で雌雄をいっしょに飼うと、どうしても狭い環境下にあって逃げ場のないオスは、体の大きなメスに食われてしまう。それが先の迷信的な誤認の原因であると思われるが、実際のところ、自然界においては、カマキリのメスがオスを食べてしまうことは、メスがメスを食べてしまうことよりかえって少ないようである。メスのほうが丸々太っているから、動きは鈍いのは確かだろう。

オスは、交尾するときにも、メスに食べられないようにうまく近づく方法を知っているようであるし、普段の生活時には、カマキリはそれぞれの場で活動し、なかなかカマキリ同士が近づくということはないうえ、広い自然の中においては、たまたま出会っても、それなりにうまく逃げているようだから、共食いはそうそう頻繁にあるということでもないようである。

カマキリのオスが子孫のため、わが身を糧にするという話は、なかなか興味深そうな話ではあるけれども、自然界はそんなに人情深くはないようだ。

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カラマツ林に立つシラカバ

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~信州の「貴婦人」になる日が来るか~

信州の峠を下る林道で、ふと見上げると、カラマツの林に混じって清楚に見えるシラカバが目を引いた。

そういえば、「貴婦人」という名のシラカバが、日光の小田代ヶ原に立っている。小田代ヶ原に立っているその「貴婦人」は、樹齢70~80年といわれ、平均樹齢が50年前後というシラカバにあっては老木であるという。平坦な湿原の向こうに広がるカラマツ林の見事な黄色をバックに、その秀麗な樹形と白い樹肌を収めようと、魅せられたカメラマンが群がるそうである。

しかも、その樹は年に一度、ちょうど今頃の時期だったはずだが、昇る朝日からの一条に、スポットライトのように照らし出される日などというのがあるらしく、当日は暗いうちから大変な賑わいであるとか。

ところで一方、この信州の名もないシラカバだが、そういった名高い樹というのではなく、一本の大樹というわけでもないにしろ、なかなかに美しい姿で感動した。バックのカラマツというよりは、足元のカラマツとバックの冬枯れに浮かび上がる白のコントラストが美しい。いちばん手前の一本などは、樹形も樹勢もすこぶるよく、まだまだ、これからすくすくと、空に向かって元気に伸びていきそうだ。将来、名のある樹になるかどうかはわからないが、またこの道を下るたび見上げてみたいと思っている。

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3匹のカマキリ

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~樹上で構えるオオカマキリ~

我が家の庭に、3匹の種類の違うカマキリがいて、それぞれがいつもだいたい決まったところでじっと身構えている。全部で3匹だけではないと思うが、今年はこの3匹がやけに目だって目に入る。

3匹は、オオカマキリ、コカマキリそしてハラビロカマキリの3種。それぞれテリトリーが違っていて、狭い庭でも競合することなく棲み分けているようだ。

気の荒いカマキリではあるけれども、よくよく見れば、その仕草もちょっと可愛らしく見えるものだ。とくに比較的小型のコカマキリやハラビロカマキリなどは、威圧感もさほどないだけに、鎌を振り上げてこちらを威嚇してみても、なんだかたかが知れててむしろ撫でてやりたくなってしまう。

オオカマキリは、かなり強力。様々な昆虫ばかりでなく、時には小さなカエルやトカゲまでも鎌で捕らえて食べているのを見ることもあるほどだ。
よく似たカマキリ(チョウセンカマキリ)に比べると、体がすこし大きくて、後の翅が濃い紫色をしているのと、鎌の付け根の間に黄色い部分のあるのが特徴である。

ハラビロカマキリは、明るい緑色の体色で、その名のとおり腹はちょっと太めである。鎌の付け根に、黄色いイボ状の突起がいくつかあるのが特徴で、樹木にいることが多い

コカマキリは、たいてい体が茶色系で小さく細めである。鎌付け根の内側に黒白の班があるのが特徴で、地表を歩き回っていることが多い。

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~コカマキリ~            ~ハラビロカマキリ~

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