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カマキリの共食い

N20061105115532
~カマキリのオスは本当に子孫繁栄を願って死んでゆくのか~

朝の散歩から帰ってくると、玄関先でお腹の大きなオオカマキリのメスが、カマキリの残骸らしきものをくわえているのに出会った。「おいおい、やっちまったね」とオオカマキリに声をかけ、その真下の地面を探してみると、そこには確かに紫色のオオカマキリの後翅が落ちていた。
落ちている翅はかなり大きい・・・もはや、確かめるすべはなくなっているが、おそらくこれはメスの翅であることに間違いない。

よく「カマキリは産卵するために、交尾したあとメスがオスを食う」と言われる。そしてさらに、産卵前のメスが栄養をたっぷり取ることでいい卵が産み落せそうだからであるのか、「いい子孫を残すためにオスは犠牲になるのだ」とまでもいわれる。しかしながら、実はそれは正しくはない。

カマキリは、「共食い」という行為自体は確かにする。それは、朝、私が見たとおりである。けれども、カマキリにとっては、共食いもへったくれもないようで、「動くものなら何でも喰らい付く」のが真相である。

飼育下で、繁殖させる目的で雌雄をいっしょに飼うと、どうしても狭い環境下にあって逃げ場のないオスは、体の大きなメスに食われてしまう。それが先の迷信的な誤認の原因であると思われるが、実際のところ、自然界においては、カマキリのメスがオスを食べてしまうことは、メスがメスを食べてしまうことよりかえって少ないようである。メスのほうが丸々太っているから、動きは鈍いのは確かだろう。

オスは、交尾するときにも、メスに食べられないようにうまく近づく方法を知っているようであるし、普段の生活時には、カマキリはそれぞれの場で活動し、なかなかカマキリ同士が近づくということはないうえ、広い自然の中においては、たまたま出会っても、それなりにうまく逃げているようだから、共食いはそうそう頻繁にあるということでもないようである。

カマキリのオスが子孫のため、わが身を糧にするという話は、なかなか興味深そうな話ではあるけれども、自然界はそんなに人情深くはないようだ。

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