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気嵐(けあらし)・蒸気霧

N20061125081822
~渦を巻き立ち上る朝靄~

朝、訪れた湖からは、渦を巻いて立ち上るように朝靄又は朝霧が湧き出していた。
それは、まるでより集めた糸が天にまで繋がっているようだった。

霧(きり)、靄(もや)、霞(かすみ)と、みな似たような小さな水滴が宙を漂う現象があって、微妙な違いがありそうではあるが、実際には、これらには、どれもさほどの違いはないのだと思う。一応、霧と靄には気象用語の定義がされていて、視界距離の数値で区分(1km未満が霧、1kmから10kmは靄)されてはいるが、一般的には、濃いものが霧、薄いものは、春なら霞でその他は靄といった程度の使い分けをしている程度ではないだろうか。

さて、霧や靄などというものは、既に発生した雲のようなものの状態を指しているが、その成因にはいくつかのシステムがあって、その成因によってそれぞれ名前がある(※注)。

そして「蒸気霧」である。蒸気霧というのは、朝など、冷やされた空気の塊が暖かな水をたたえた海や湖や川の水面上に流れ込んできたとき、水蒸気の急激な蒸発によって霧が発生する状態であり、気象用語でこのように呼ばれている。

水の温度の違いはあるものの、湯船から立ち上る湯気とだいたい同じようなものである。ただ、湖沼や川では稀というほどではないにせよ、いつでも見られるものではなく、寒い日の朝ということもあって、目の前で、水面や地面などから湧くように発生しているのを見るとなかなか感動する。

一般用語としては、「気嵐」(けあらし)とも言われ、英語では「frost smoke」又は「ice fog」などと言うらしい。

無風状態でのみごとな気嵐では、湧き上がる水蒸気の作る小さな上昇気流が渦を巻き、細長く数メートルの高さまで立ち上る様子が見られて、大変に興味深いものである。

(※注) 冷たい海面を山から暖かい風が吹き渡って生じる「移流霧」、 晴れた日の放射冷却によって生じる「放射霧」、温暖前線によって降る暖かな雨が蒸発し、それが冷たい空気に触れて生じる「前線霧」、山の斜面を急速にはい上がった空気が冷えて生じる「滑昇霧」などがあります。

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