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反射炉

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~耐火煉瓦の色が目をひきつける~

常に「目的に沿って効率よく」が行動規範になっている合理主義者の私には、何気なく、どこかにぶらりと立ち寄るということは、イレギュラーなことであるのだけれども、それだけにいつものことではないので、それはそれで基本姿勢と違っても楽しいひと時である。

先週末に伊豆に向かう途上、「反射炉」という文字が目に入った。はて、「反射炉」とはなんだろうか?

まず頭に浮かんだのは、磨き上げられた金属板、そしてギリシャのコロシアムのような古風な石造りか、はたまた、まったく現代風な直線基調の施設内に、その金属の反射鏡が太陽の光を集めるべく並んだ風景だった。

すぐにワクワクした気持ちで案内に沿ってハンドルを切り現地に向かってみたのであるが、そこにあったものは、想像とはまったく違う国指定史跡の韮山反射炉という遺物だった。

なんでも、幕末期の伊豆代官(江川太郎左衛門英龍)が、黒船時代、国防のため幕府の許可をとって大砲鋳造のために築造した金属溶解炉がこの反射炉であるといい、構造を簡単にいうと、中の空間を人の胃袋のような形にした大きな暖炉のようなものであり、その中ほどにうまく熱が集まって金属を融解させるだけの高温を作り出す設備ということになる。
そして、この韮山反射炉は、1854年に起工、1857年に完成して、1864年までに大砲数百門が鋳造され、それらは主に江戸防備のため造られた品川のお台場で使われたということである。

この反射炉は国内で完全な形で現存するものとしては唯一のものだという。確かに耐火レンガの色合いといい、精巧さな積み上がりの造形はすばらしく、また、反射炉というもの自体は西洋の技術を拝借して築造されたものではあるが、西洋ではすぐにより効率の良い溶鉱炉が開発されたため、あまり広まることはなかったといい、幕末の産物によくみられる和洋が混沌とした何かを引き付けるものをもっていた。

N20061216131716 鋳造された24ポンド・カノン砲

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設計図無しに漠然とした勘で作る? 笑止!とされる方もいらっしゃるかと思います。 私の本職である造形師業務では、このやり方が主なのです。 設計図無しに完全にアナログ方式で事を進めてゆきます。 そのやり方が私は慣れており この規模の築窯、しかも初めてとあれば 支障は無いだろうとの判断です。 さて、前日の作業での不安感を拭う為に 窯の構造を見直しました。 ... [続きを読む]

受信: 2006.12.21 18:07

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