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八重山を歩く(3) キシノウエトカゲ

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~日本最大のトカゲ~

さて、石垣島のヤシの群落をより奥へと進んでいくと、ヤエヤマヤシは一層深くなり、それ以外の樹種がほとんど見当たらずに周囲の視界がヤシで埋め尽くされてしまうほどの群落の中枢部とも思えるところに出た。
頭上を見上げると、ヤシの葉のあい間からのぞけるまっ青な空とまっ白い雲がまぶしい。

ガサッという音、今度は、先ほどのイシガキトカゲとは明らかに違う重量感のある音がした。すぐさまそちらを振り向くと、やや大きめのヘビ類程度の頭を持った爬虫類が倒木の隙間に消えていくのが一瞬だが見えた。ほんとうに一瞬であったので、目に映った姿は、頭と胸部までは150cm以上はありそうな立派なヘビのような体格であるのに、それにしては、胴長は40cmくらいと極端に太く短いヘビに見えた。

まあ、絵にしてみれば、いわゆるツチノコというやつになってしまうが、目に映ったのは一瞬のことであったし、また、動きがかなり早かったため、足が見えなかったのであって、常識的にはこれはトカゲなのだろう。しかし、そうだとすれば異常に大きい。一体何者?

なにしろ、ここは動物園や水族館の爬虫類コーナーではなく、まったくの自然環境の中である。そんなに大きいトカゲにはお目に掛かったことはない。再度、姿を確かめようと、一緒に歩いている妻にも声を掛け、その爬虫類が消えていった倒木の隙間のほうを見守った。

しばらくすると、ゴソッと音がして、運よくそいつは再び表に現れて来てくれた。いやはや、びっくりするほど太くて大きいトカゲである。
もちろん、世界中にいるトカゲの仲間には、コモドオオトカゲのような真に巨大なやつもいて、飼育下ならば、そういう大トカゲも何度もみてはいる。

しかし、いくら南西のはずれに位置するとはいえ、石垣島も国内の島には違いない。緑色の細長いトカゲなら、目新しさはあってもさほど驚かなかったと思うが、これにはかなり驚いた。

八重山、宮古の両諸島に固有の種にして、全長40cm超という日本最大のトカゲ。日本にいく種もいるスジトカゲ属の盟主のようなこのキシノウエトカゲは、準絶滅危惧種で天然記念物でもある。イシガキトカゲと色形は似ているし、ほぼ同じところに住むが、とにかくその大きさや重量感が圧倒的に違う(上の画像では残念ながら比較対象物がなく判りずらいかもしれません)。

地元の方に聞いてみたところによれば、かつては家屋周辺にもよく現われ、「オカノウエトカゲ」と呼んで親しまれていたが、近年さっぱり見られなくなってきたので、見られたのは幸運だったということだった。

これほどの存在感。うっすらと図鑑の写真が脳裏にあったくらいで、ノーマークだった。こんな主要種の存在を軽視していたとは、国内の生き物にはかなり自信のあるつもりだったのに、琉球方面にはやや手抜きがあったのだろう。八重山の自然の奥深さに恐れ入った次第である。

(つづく)

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