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内惑星

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~水星と金星が並んだ明けの空~

いつものように朝の床から出てすぐ、部屋のベランダへ出てみると、東の空低く家並のすぐ上に仲良く2つの輝星が並んで見えた。まだ寝ぼけまなこではあるが、水星と金星の姿であることは間違いない。

少し前の月初めには、金星は明け方の空のもう少し高い位置にあった。そして、いまも東の空にある木星が当時はもっと低い位置にあって、その2つの惑星が並んで輝いていた。そのときは、少しして月もやってきたため、なかなか賑やかであった。

水星と金星は、地球より内側で太陽を回っていて、このことからこの2惑星を「内惑星」ともいうが、そのために火星や木星など地球の外側を回る他の惑星とは違って、見かけの位置が太陽からそれほど離れることはなく、いつも明けの東の空か宵の西の空にしかその姿を見ることはない。

それでも金星の方は、水星と比べ、地球のすぐ内側を回っているので、太陽から最も離れる時の角度(最大離角という)は水星の28°に対し、47°とずっと大きくて、日の出、日没のそれぞれ直前直後には、空の中空近いあたりまで太陽から離れるため、空に見えている時間も長いし、空が暗いうち又は暗くなってからも見えているので、我々が目にする機会はずっと多い。

まして金星は、通常において太陽、月に次いで、全天で3番目に明るくなる天体である。星状に見える天体としては全天一の輝きだからこそ、明けの明星、宵の明星といわれて親しまれていて、金星であるということを意識して見ているかいないかはともかくとすれば、金星を目にしたことがない人はおそらくいないに等しいと思う。

これに対して水星は、見た目の明るさが決して暗いわけではないのであるが、太陽から最も離れて見やすい時期であっても、朝夕いずれかのごく短い時間に低空でしか観察できないため、とにかく見る機会が少ない。

少し前、1月半ばごろだったか、NASAの水星探査機「メッセンジャー」から送られてきた、水星表面の近接画像をご覧になっただろうか。水星の新しい近接画像というのも、私が子供のころ以来であるから、ずいぶん久しい話である。

1974~75年に水星に近付いたマリナー10号が、その過去の水星接近探索で唯一の例であり、今回のメッセンジャーの探査はまだ2回目の水星探査機接近であって、今回の任務が遂行されても、まだ、撮影できていない表面部分は残るというのは意外ではないだろうか。水星の自転と公転の周期は3:2であり、太陽に照らされた明るい面をくるくると回って見せてはくれないのである。

月が替わる頃、この2つの内惑星はもっと接近するようなのでこれから数日は毎朝の起きる楽しみにしておきたい。また、今月初めと同様に、今回もまた、もう少し日が経つと月がやってくるから、明けの東の空は、月、水、木、金と賑やいだ空になるだろう。

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V字編隊

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~鴨がV字で東へ飛んでゆく~

冬の空の高いところを、時折、大きな編隊が横切ってゆくのが見える。朝、明けたばかりで白んできた空、夕暮れの茜色の空、数羽から何十羽の鳥が列を成して飛びゆく姿は季節感もあってたいへん絵になるが、それなりに大きな意味を持っている。

ハクチョウやガンなど渡りをする大きな鳥が群れで飛ぶときは、例えばスズメが飛ぶときなどのように混然一群で飛ぶのではなく、V字型や斜め一列に列を成した編隊飛行を形成している。

この編隊飛行は、彼らの単なる嗜好によってなされているのではなく、より楽に飛べる進路を選ぶために生じるもので、結果的には運動の効率をよく考慮したものになっている。

もう少し具体的にいうと、大型の鳥が羽ばたいて飛ぶとき、その大きな翼の先端から後方へ向かって渦状の乱気流が生じることがなんとなく想像できると思う。そして、その乱気流は、横倒しの渦状であるから、渦の片側、つまりは鳥の斜め後方には上向きの気流が生じることになるのである。そこで、後ろをついて飛ぶ鳥は、その上向きの気流のあたりを飛ぶと楽になり、その気流に乗って飛行を続ければ、エネルギーの消耗は、単独で飛ぶよりもずっと少なくてすむわけである。
 
理窟はなんだかすごそうだが、鳥たちはそんな理窟まで理解して飛んでいるというはずはなく、楽なところを飛べば結果的にそれがV字型や、斜め一列の編隊飛行という形になって現れるということになるのだろう。

ただ、列の最先端を飛ぶ鳥が、一見、何十もの鳥を束ねるリーダーのようにもみえて実はそうではなく、上記のような、気流のアシストが得られずエネルギーの消耗が大きい先頭の係を、順次後方の鳥と交代して、疲労をみなで分けて負担するようにしているらしく、そのあたりには、やや高度な生態も感じるところである。

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テイカカズラの綿毛

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~冬の里山に飛ぶ大きな綿毛~

冬になると自宅周辺に花や昆虫の姿は少なくなるが、それでもカメラをぶら下げて野山を歩く。生き物たちの姿が少ない時期だからこそ、かえって小さなものにも目が届くものだ。そう、むしろ生き物の姿が豊富な夏よりも、冬や早春の方が自然の姿を細かいところまで観察しているといえるかもしれない。

冬に杉林などを歩いていると、何度となくテイカカズラの綿毛に出会う 林床にきらきらと光るものが目に入って、おやっと思って近付くと、どこから飛んできてここに落ちたのやら、この大きめの綿毛が風でふわふわとそこで揺れている。

綿毛の代表といえばタンポポだろう。タンポポの綿毛は、小さな種から一本真っ直ぐに伸びた軸の先でぱっと広がった形をしているが、このテイカカズラの綿毛は、細長くて少し大きめの種からいきなりブロンズの髪のように生えている。また、冬の野でよく見かけることのできる大きな綿毛として、もうひとつアザミの綿毛もある。アザミの綿毛は、毛の一本一本が鳥の羽のように更に細かく枝分かれしているのであるが、テイカカズラの綿毛は、しなやかな毛が長々とストレートに生えている。

テイカカズラは、本州~九州の温暖な地方に分布するつる植物で、他の樹に這い登り、樹の高いところで5~6月頃に白いジャスミンのような香りがある花を咲かせる。テイカカズラという名前を聞いたとき、もしかして藤原定家なんてことは?と思ったが、調べてみると案の定、藤原定家が生まれ変わったものだという話が出てくる。

地に緑の少ない時期ではあるが、緑色のコケの上などに降り立ったこのブロンドの大きな綿毛はとても目だっていて、見つけたときは、いつも輝く毛の繊細さにしばらく見とれてしまう。

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マンサク

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~満作がまず咲く?~

今日、日中は春一番が吹き荒れた。3つ玉の発達中の低気圧が前線を伴って通過したからであるが、低気圧は東北方向の海上で一気に発達し、このあと季節風でぐんぐん冷え込んできそうである。
寒冷前線が通過する前の昨日から今日昼までは、本当に春がやってきたようだったけれど、こうやって行ったり来たりしながら進むのが季節というものだろう。

朝の通勤途上、よく皇居北の丸公園をふらりと散策することがある。数日前の天気のいい朝、わずかに春の気配を感じ、気持ちもいいのでまた朝の散歩を楽しんだ。すると、しばらく色の少なかった公園にチラリチラリと黄色い花を付ける木が見える。はて何の木が花を付けたのだろう。

近付いてみるとマンサクの花だった。この花の名は「まず咲く」の訛りだといわれる。たしかに、気温はほとんど冬のままであり、落葉樹で花をつける樹は周辺に見当たらないし、マンサクの木の枝にはまだまだ枯葉さえ残っていて、むしろ秋のようでさえあるくらいなのに、春まで待てずにまず花を咲かせている。

ただ、どうもこの花の名前の由来、それだけではいまひとつピンと来ない。「万年豊作」にちなんだ由来との説もあるようではあるが、何かもっと他になるほどと唸らせる意味があるような気がしてならないのである。たぶん、それは、この花が削りだしたような形というのか、はたまた、硬めの紙を雑に丸めたようにカクカクと巻いているというのか、ともかく、かなり変わった形であるのに、この非常に特徴のある花の形状が、名前に何か関係しないで済むのだろうかという思いがあるからだ。

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