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メスグロヒョウモン

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~蝶の中では際立った性的二形~

すっかり秋が深まって、朝夕にはほどほどの冷え込みが感じられるようになった。あたたかなこの地方だから、日が射してくれば、たちまち暑いもといえるほどになるので、まだ冬の気配というには遠いのだが、休日朝の林の散歩が気持ちいい。

散歩の帰り道を辿る頃、日も十分に高く昇って気温は上がり、赤トンボやシジミ蝶やアブも飛び始めた。
すると、茶色というのか暗褐色というのか、ともかく暗い背景にくっきりと白い条を浮かび上がらせたやや大きめの蝶が、ふわりと目の前を飛んでいった。

その姿に、すぐにオオイチモンジの名前が浮かんだ。しかし、このあたりにオオイチモンジがいるということは多分ないし、時期も違う。

直後、その蝶はふわりと近くのアザミに止まった。けっこうな大きさがあるので、動作も翅の文様もとても優雅なものに見える。

蝶の翅をよくみると、イチモンジ、フタスジ、ミスジといった暗褐色に白条の蝶のグループとは、スジの形がどうも違うことがわかる。この蝶はヒョウモンチョウの仲間なのである。

ヒョウモンチョウといえば、もちろんオレンジ色に黒い点の「豹紋」がトレードマークなのであるが、この蝶は、オスが普通のヒョウモンチョウの仲間らしい姿であるのに対し、雌はイチモンジチョウのような色模様をしているのである。

それにしても、この優雅な姿の蝶に、あまりにダイレクトな名前は、やや興ざめる気もするが、「メス黒」であるのは確かである。いわゆる「性的二形」というやつだ。

「性的二形」というのは、一般に雌雄の第二次性徴の差がはっきりしていることをいう。つまり生殖器以外の部分での雌雄差が大きいことである。

カブトムシや鹿などのような角を持った生物などが一番分かりやすいだろうか。
様々な生物に見られるものではあるが、蝶としてはメスグロヒョウモンはかなりはっきりしている方といえるだろう。

じっと見ているうちに、やがて蝶はふわりと舞い上がって、林の樹木の上のほうへと姿を消していった、あたりは光が消えたようにまた静かな林に戻る。10月も下旬に入り、こうして蝶を頻繁にみることのできる季節も終わろうとしている。しばらくは、林の散歩道も静かな道となるだろう。

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